封神演義


〜十絶陣の戦い『紅水陣』血の雨

原作 藤崎 竜

2:0:1台本

*主な登場人物*(CVは参考までに)
ヨウゼン
CV:千葉進歩
変化の術を使う美形道士。崑崙でも有数の戦闘能力を持つ。金鰲島の通天教主の息子で、妖怪仙人。故あって子供の頃崑崙山へ預けられ、その正体を隠して成長した。
玉鼎真人
(ぎょくていしんじん)

CV:檜山修之
崑崙十二仙の一人。ヨウゼンの師匠。理知的で冷静な性格だが、生真面目すぎる一面もある。宝貝の斬仙剣で一瞬で物を切れる。
王天君
(おうてんくん)

CV:笹本優子
金鰲島十天君のリーダー的存在。太公望に匹敵する頭脳を持つダークな仙人。考え事をするときに爪をかむのが癖。見た目、不健康そうな子供。

詳しいことはこちら→http://www.houshin-engi.com/

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玉鼎:ヨウゼン!

王天君:ククククク
    ようこそ玉鼎真人(ぎょくていしんじん)
    おらよっ もって帰んな
    ヨウゼンはそこに落ちてるぜ

ヨウゼン:・・・・・・・・・・・・
     玉鼎真人(ぎょくていしんじん)師匠・・・

―玉鼎真人がヨウゼンを抱く―

玉鼎:ヨウゼン・・・・・・
   がんばったな!

ヨウゼン:・・・・・・師匠・・・・・・

王天君:ククククク
    ただし代金は頂かねぇとな
    万引きは犯罪だぜ十二仙!



ヨウゼン:師匠・・・僕を助けるために・・・・・・?

玉鼎:しっ!喋るなヨウゼン!!
   おまえのおかげで崑崙(こんろん)は救われた
   太公望(たいこうぼう)たちも無事だ 安心しろ
   おまえは私の自慢の弟子だよ

ヨウゼン:ありがとうございます師匠・・・
     その言葉だけで僕は救われます・・・(微笑)
     でも・・・気を付けて下さい・・・
     あの者・・・王天君(おうてんくん)は邪悪です・・・
     底知れない不吉な感じがします・・・

王天君:よぉ 怖気(おぞけ)の走る再会のあいさつは済んだか?
    なら そろそろ支払いをお願いするぜ

―自分の手を切り、血を滴らす王天君―

玉鼎:――?
   何だ?

王天君:宝貝(パオペエ)紅水陣(こうすいじん)
    他の十天君(じゅってんくん)は異空間を作って その中でのみ万能になれるが
    このオレは通常の空間に『自分の場所』を作れるのさ
    血の雨にうたれて死ぬがいいぜ
    崑崙(こんろん)十二仙玉鼎真人(ぎょくていしんじん)さんよぉ

玉鼎:血の雨・・・・・・?
   まさか・・・・・・
   この(あか)い霧は・・・・・・!

王天君:(おせ)ぇな 気づくのが
    オレの血は強い酸性なのさ
    このままじゃ溶けて無くなるぜ
    助かる方法はただ一つ
    『オレの空間』から逃げる事だけだ!

玉鼎:フン
   もう一つあるだろう?
   それはおまえを倒す事だ!!

―玉鼎真人は王天君に向かって斬仙剣を振るう―

王天君:(ニィィ)

玉鼎:バッ・・・バカな・・・なぜ斬れない・・・!?

王天君:ククククク・・・
    バカやろうはおまえだよ
    おまえが見てるものは本当のオレが作り出した幻
    この血で満たされた空間自体がオレだ
    つまり おまえはオレの体の中にいるようなもんなのさ
    オレって格闘するタイプじゃねぇんだよなぁ

―血の雨が激しくなる―

玉鼎:ぐうっ・・・!!!

王天君:さぁ 出口はあっちだぜ
    軟弱な王子様を連れて さっさと帰んな
    もっとも・・・それまでキサマの体がもてばだがな

ヨウゼン:ぐぁ・・・・・・

玉鼎:ヨウゼン・・・!!!
    くっ・・・

王天君:クククク・・・いい子だ!
    そんなペースじゃ出口まで まだまだだぜ・・・
    こりゃ二人共ダメだな

ヨウゼン:しっ・・・師匠・・・・・・!!!
     僕を置いてって下さい・・・!
     一人なら助かります・・・・・・!!

玉鼎:思い出すよ・・・

ヨウゼン:え?

玉鼎:おまえが赤子の頃にも雨の中をこうやって歩いた事があった・・・・・・
   ぬれないように・・・風邪をひかぬように・・・・・・
   大きくなったな ヨウゼン










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